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組合側が「解決金」支払い



建築士側が提訴 設計・監理業務受託巡りトラブル

 大規模修繕工事の設計・監理業務委託をめぐり、一級建築士事務所が管理組合に対し設計業務費四十八万円の支払いを求めていた訴訟で五月十日、和解が成立した。業務の委託を否定していた管理組合だったが、解決金として原告設計事務所に十六万円支払う。管理組合にとって高い「授業料」となった。

 神戸市内の築十五年、約八十戸のマンション。
 訴状等によると、平成十三年管理組合は原告と大規模修繕の設計および工事監理の業務委託契約書を締結。翌年外壁等の改修工事が実施され、原告への支払いも完了。屋上防水は改修時期を延期し、委託業務に含んでいなかったとされる。
 その後新理事長が平成十六年理事会を開き、屋上防水の工事時期を検討。原告に現場を見てもらい「全面改修すべき」とのアドバイスを得たが、設計監理者の選定を競争見積りにすべく、設計監理料の見積り提出を依頼した。
 しかし、数ヵ月後提出されたのは工事費用の見積書。理事会に同席していた管理会社は原告に「なし崩し的に仕事を進められても困る」と指摘し、理事会は「設計監理業務の依頼は費用対効果を考えて判断したい」と再度設計監理料の見積書提出を要請した。
 一方、原告は「この理事会で役員らから設計図書の作成と工事監理の委託を受けた」と主張し、議事録にそのような記録はないものの、後日設計監理料の見積書に設計図面を添えて管理組合に提出。見積もり合わせの結果、理事会は「費用が高く、提出が遅い」という理由で原告に設計監理業務の委託を断ったが、原告は「合意により契約は成立している」とし、管理組合に対し設計料四十八万円(内訳=現地調査費十一万二千円、設計図書作成二十九万八千円、成果品作品三万円等)、監理委託料六十五万八千円の計約百十四万円の支払いを求め催告書を送付。管理組合は拒否し、原告は昨年六月、神戸簡裁に設計業務費用として四十八万円の支払いを求め提訴した。

  原告は、前理事長(死亡)とは信頼関係があったとした上で、「引き続き屋上防水の設計監理業務も受けることになっていた」と主張。前理事長からすでに業務を委託していた、というわけだ。組合側は終始一貫して委託を否定。吉田新生裁判官立会いのもと締結された和解条項でも組合は業務委託を認めていない。「解決金」の意味は組合が口を閉ざしたままのため不明だが、結果的に組合が折れた格好。原告は「口頭だが契約は成立していた」と話している。組合にとっては業務の継続性、第三者との付き合い方といった面で自らを省みる良い機会になったかもしれない。
 

 

〔(株)マンション管理新聞社発行 マンション管理新聞 第676号より抜粋〕

 

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