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組合の「一部共用」主張を棄却



東京地裁 規約上の記載重視「共用」認定

 店舗区分所有者などがガス使用しているマンションで、埋設ガス管の交換工事費用負担をめぐり店舗区分所有者と管理組合が争っていた控訴審の判決が六月十五日、東京地裁であった。宗宮英俊裁判長は埋設ガス管を一部共用部分として店舗区分所有者に費用負担を求めた一審判決の判断を取り消し、共用部分と判示。店舗区分所有者から徴収した費用の返還を管理組合に命じた。管理組合側は上告する方針だ。

オール電化マンションの店舗用ガス管の費用負担巡る訴訟

 都内築二十七年、住戸三百三十、店舗二の単身世帯向け分譲マンション。住戸はオール電化で、ガスは一階飲食店とコインランドリーだけが使用。コインランドリー室は規約共用部分と規定されているが、未登記で、専有部分としての共有持分も定めていない。
 平成十六年、継ぎ手部分が亜鉛メッキ鋼管の埋設ガス管交換工事をする際、管理組合理事会は工事費を管理組合と店舗区分所有者二人の計三者で均等負担することを決議。店舗区分所有者は決議内容に反対したものの、組合は総会決議を経て約四十万円を費やし工事を実施。組合負担分を控除した残費用を支払わない店舗区分所有者二人に対し、組合は平成十七年六月東京簡裁に提訴した(のち地裁に移送)。
 専有、共用部分の区分を定めた管理規約では、「各種配管配線等」は共用部分と規定。裁判で管理組合側は「ガス管は組合も含め三者で排他的に使用されており、一部共用部分に準じたもの」と主張。被告側は「規約に一部共用部分の規定はなく、ガス管は全体共用部分」と反論し、ガス管の帰属が最大の争点となった。

  一審判決で坂井満裁判官は「ガス管はコインランドリー室と店舗の計3戸で使用されており、他の区分所有者とは利害関係がなく、三者による一部共用部分である」と判断。交換工事は「共有者の一人」である組合が区分所有法十八条に基づく緊急を要する「保存行為」として実施したものとして、被告に対し各約十三万円の費用負担を命じた。

店舗区分所有者は支払義務なし

 一方、被告一人が控訴した控訴審判決で宗宮英俊裁判長は「コインランドリー室が全体共用部分であることは規約上明らかで、区分所有権を持たない管理組合が一部共用部分の共有者たり得ないことも明らか」と指摘。
 一部共用部分を定義する区分所有法三条を示し、「全体共用部分を原則とし、一部共用部分は例外」と解し、「一部共用部分に準ずるものなる存在を予定しているとは解されない」と一部共用部分の拡大解釈に否定的な見方を示した。
 また売買契約書にガス管に対する特別な合意がなく、埋設費用を三者が支出した証拠もなく、専用使用する旨の合意もないとし、ガス管を三者の共有物や専用使用権の対象と考える組合側の主張も退けた。
  結局、埋設時期や「各種配管配線等」を共用部分と定めた規約の存在、コインランドリーの稼動のためにガス管が利用されている事実などをあげ、ガス管を「全体共用部分と認めるのが相当」との判断を下し、管理組合に対し、控訴人へ徴収額の返還を命じた。

【控訴人代理人の弁護士】
ガス管のライフラインとしての実質的側面からみても全体共用部分との判断は妥当だ。

【被控訴人代理人の弁護士】
店舗はガスを事業使用しており負担分を住民が負うのはおかしい。納得できないので上告する。 

 

〔(株)マンション管理新聞社発行 マンション管理新聞 第679号より抜粋〕

 

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