既存マンションでもOK?
今年1月の規制緩和で、貯水槽や増圧ポンプを設置せず、公共の給水管から直接給水する「三階直圧直結」「特例直圧」給水方式が採用できる「門戸」が広がっている。既存分譲マンションも例外ではない。タンクやポンプなどの給水設備が必要なくなれば、維持管理面ではお得感もある。既存分譲マンションにおける「三階直圧」「特例直圧」給水方式導入の可能性を探ってみた。
三階直圧 水道局との相談でNGがOKも
「三階直圧直結給水」は、配水管の水圧で直接給水でき、給水できる階高は最大で三階まで。取り出し口径、メーター口径ともに「20ミリ〜50ミリ」から「口径制限なし」に変更した。
「特例直圧給水」は増圧ポンプの設置「留保」。現状の配水管圧力において、建物最上階の末端給水栓まで直圧給水が可能な場合に、特例として認める。制限のあった規定が、メーター口径「20ミリ〜50ミリ」が「20ミリ〜75ミリ」に、建物の階高が「4階または5階まで」から「階高制限なし」に対象が拡大された。
今回の直圧直結給水の適用範囲拡大による変更点
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三階直圧給水 |
増圧給水 |
特例直圧給水 |
メータ
口径 |
13mm |
×→◎ |
― |
― |
20mm〜50mm |
○ |
○ |
○ |
75mm |
×→◎ |
○ |
×→◎ |
100mm以上 |
×→◎ |
― |
― |
階高制限 |
3階 |
制限無し |
4、5階→制限なし |
ただ、3階建てならすべてのマンションで「三階直圧―」が採用できるわけではなさそうだ。
東京都水道局が指定工事業者向けにまとめた工事施工要領では、例えば1世帯当たりの給水器具数が5〜10個、取り出し口径が50ミリの場合、変更可能な規模は12〜13世帯程度までと決まっている。
東京都水道局は「施工要領の『集合住宅における三階直圧給水標準世帯数』はあくまでも参考。事前協議を経た上で基準より世帯数や給水器具数が上回るケースもあり得る」と話す。
実際には担当水道局に、夕方等ピーク時における同時使用量の使用実績や世帯構成を調べ相談すれば、柔軟に対応しNGがOKになるケースもかなり多い。
特例直圧 「六階までが精一杯」
「特例直圧―」の実現の可能性はどうだろうか。水道本管の整備が進み、水道局は水圧を0.3MPa以上あるように徐々にだが推進してきている。
東京都水道局は「0.3MPaの水圧は単純計算で高さ約30メートルまで届かすことができ、そうなるとマンション最上階の蛇口まで問題なく水を送るには5〜6階が実際には精一杯」と話す。「7〜10階」部分は防災用として活用できる程度で一般的にはポンプを設置しなければならない。世帯数による制限は、基本的にはないそうだ。東京都水道局は「将来的には支障がなければ水道本管の水圧を0.5MPaまで引き上げたい。そうすれば採用できるマンションも今までよりずっと範囲が広がる」と話す。
メーター口径も75ミリに拡大し、東京都水道局は「施工要領にある『増圧給水設備の口径別による標準最大戸数』が、一応の目安になる」と話す。それには口径75ミリで標準最大戸数が戸当たり4人で162戸程度、戸当たり3人で217戸程度としているが、ある設備業者は「最大250世帯は、採用できるはず」と話す。東京都水道局は「規定の基準を満たすには事前に引き込み管の引き直し工事をし、口径をアップしないと駄目なケースも多い」と話す。当然、道路掘削、復旧工事も伴うため「50万円から500万円くらいかかるのでは」(ある設備業者)。
また水道局は「メータバイパスユニットの設置は、いずれも義務扱い。ただし『三階直圧―』では、所有者全員で断水時の承認書を提出すれば設置は免除される」と話す。
〔(株)マンション管理新聞社発行 マンション管理新聞 第704号より抜粋〕
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