債権届出額、3億円以上に 受託物件の大半 判明分だけで12組合
野々市町内と金沢市内の管理組合の修繕積立金を横領したとして業務上横領罪で起訴された(株)シーピー(破産手続き開始決定済み)代表取締役、鈴木吉雄被告の初公判が9月21日、金沢地裁で開かれた。同被告は起訴事実を認めた。
同被告は野々市町内の管理組合の口座から平成16年4月から同19年5月までに6490万円を、金沢市内の組合からも同17年4月から同19年5月までに7580万円を横領したとされている。
一方、金沢地方検察局は9月18日、鈴木被告が代表取締役を務める北陸ビルマネージメント(株)(同)が管理していた金沢市内の管理組合の修繕積立金約4900万円を着服した容疑で追起訴した。同被告は同事件で8月29日に再逮捕されており、逮捕は3回目になる。
次回公判日は、10月24日。北陸ビルマネージメントの分も合わせて審理される予定。
今年7月31日時点で2社の組合数は、シーピーが8組合、北陸ビルマネージメントが12組合。
そのうち、北陸ビルマネージメントに対する債権の届け出をした管理組合は12件。管理組合の債権総額は、資料がそろっていない段階で債権の届け出をしている組合があるため確定していないが、9月25日現在で3億1200万円ほどで、被害の多い組合で4000万円ほど、少ない組合で1400万円ほどあるという。
北陸ビルマネージメントは、同社とシーピーの本店がある金沢市三社町のマンション1階事務所の区分所有者だったが、抵当権者から競売を申し立てられており、同社の破産管財人・西井繁弁護士は「恐らく剰余はないと思っている」と話す。軽4自動車2台も所有しているが、1台はローンも残っており「たいした金にはならない」見込み。
一方、シーピーに対する債権の届け出をした組合数などは「刑事事件が絡んでいるので、お答えできない」(同社破産管財人・越島久弥法律事務所)としているが、今年7月末時点で同社が受託管理していたのは8組合ある。2社で被害総額が約4億6000万円と見られていることを差し引くと、同社に対する管理組合の債権総額は1億5000万円ほどと考えられる。
「保証制度」加入していれば・・・
シーピー・北陸ビルマネージメントは管理費等の収納に際し、いわゆる「原則方式」を使用していた。このため、マンション管理適正化法上の「保障措置」を講じる義務は生じていなかったが、保管用口座の通帳・印鑑を保管していた疑いが指摘されており、仮にそうだとすれば、この点は明らかに財産の分別管理義務に違反している結果になる。
今回のケースで、管理会社が(社)高層住宅管理業協会(管理協)の「管理費等保証制度」に加入していた場合、委託契約を結んでいた管理組合には保証金が支払われていた。同制度は管理協が平成8年に創設。協会が設置した「保証機構」に加盟する会員管理会社が経営破たんし、管理組合が金銭的被害を受けた際、管理費・修繕積立金・専用使用料の「管理費等」1ヵ月分相当額を保証し、新管理会社の紹介などの支援も行う。
同制度では管理会社社員らの横領による被害は保証されないが、今回のケースでは結果的に管理会社側が破産手続きに入るなど、事実上倒産が確定しているため、制度が適用される形になる。
「管理費等保証制度」には、法律上保障措置を講じる必要がない管理会社も加盟している。
管理組合にとっては、制度に加盟する管理会社を選ぶに越したことはない。
〔(株)マンション管理新聞社発行 マンション管理新聞 第720号より抜粋〕
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