幸運にも人身事故に至らず 事態重く受け止め公表、再発防止策打ち出す
大成サービス(本社東京)はこのほど、受託管理物件で搭乗者を乗せたまま駐車装置を作動させる、という立体(水平循環2層式)駐車装置誤操作事故を発表した。幸いにも運転者と同乗者にケガはなく、大事に至らなかったが、多大な不安と心労を与えたとして事故を公にするとともに、同種事故の未然防止を目的に再発防止策を併せて発表した。
安全装置働かず
事故は住戸のほかに外食レストランや事務所が入る東京・文京区の複合用途型マンションで起きた。立体駐車場機は2基(72台収容)あり、ターンテーブルを挟んで対面に設置されている。月ぎめとレストランや事務所の来客用として併用されている。
昨年12月19日に、レストランに来店した女性が乳児を車に乗せて、立駐機に入庫した。係員は客が車外へ退出したことを十分に確認せずに駐車場装置を作動させてしまった。客は危険を感じて叫んだりクラクションを鳴らしたりしたが機械の作動音などに阻まれて外部に聞こえず、格納庫内に収納されてしまった。
パレット停止後、携帯電話での通話を試みたが圏外のため、外部への連絡がつかなかった。乳児を車に乗せたままで真っ暗な中、たまたま携帯していた簡易ライトを照らして車外に出た。非常口を発見すると、自力で脱出、駐車場管理事務所に乳児の救出を求めた。間もなくして無事乳児は救出された。
事故原因は、最優先で行うべき、リフト施設および車の搭乗者の確認をせずに機械を作動してしまったことにある。
通常、リフトから搭乗者の退避を感知しないと作動しない安全装置が、何らかの原因で作動しなかったことも災いした。
今回の事故が大事に至らなかったのは幸運が重なったからである。
パレットに乗せて格納された場合、車の転落防止のために、両側にフェンスが自動的に立ち上がることになっている。普通車だとフェンスとの間の間隔が狭いため、降りようにも降りられないが、女性が乗っていた車が軽自動車だったため、すき間が生じ、降りることができた。格納庫は真っ暗な状況だったが、女性が簡易ライトを持参していたため、格納庫内を照らすことができ、しかも、降車・移動の際、リフトが作動しなかったことも幸いした。非常口まで無事、脱出できた。
「降車確認後の作動」の徹底へ
一歩間違えば重大事故にも発展しかねなかった今回の事故。同社では、この事故を非常に重く受け止めて、次の改善策を打ち出した。
@安全第一のため後続の駐車場利用者を待たせてでも、駐車場入居後に車内・駐車装置内より利用者が完全に退出する確認が取れるまでは駐車装置を作動しないことを厳守する。
A必ず降車確認後に作動させるなどの重要な安全確認事項は、駐車場の要所に掲示する。
B駐車場係員に対し、定期的、継続的な安全教育訓練を実施する。
なお、事故が起きた駐車装置については、事故当時作動しなかった安全装置の交換をするとともに、管理組合と協議の上、駐車場格納庫内の照明を常に点灯することにした。
また駐車場進入部と格納庫にカメラとマイクを数機設置し、駐車場管理室でモニタリングし、万が一、人が乗車したまま収納されても映像や警笛で係員が発見することが可能な方策の検討や、駐車場格納庫に人感センサー、熱感センサーなどの設置の検討も管理組合と始めている。
〔(株)マンション管理新聞社発行 マンション管理新聞 第732号より抜粋〕
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