一括領収書に私物購入費混入 13年で500万円を着服
大阪府内のマンションで昨年11月、住み込み管理員による不正が発覚した。備品購入費など明細がない一括領収書に私物購入費を含ませる、といった手口で、事実上の管理組合資産横領行為を長年繰り返していた。不正発覚後、管理員は懲戒解雇。管理組合の被害額は管理会社の調査によれば約500万円に上っている。管理会社側は被害額を全額弁済。ほかに「お詫び金」の支払いも決めている。管理員が弁済の意思を示しているなどの点から、現時点では管理会社側は刑事告訴は考えていない。
社長以下の処分も検討 管理会社側が全額弁済
管理員による不正が明らかになったのは、大阪府内の分譲マンション。東洋コミュニティサービス(本社大阪、福永忠昭社長)が、入居当初から管理業務を受託していた。管理会社の調査によれば、管理員は明細のない一括領収書の中に私物購入代金を含ませたり、架空の領収書や金額を改ざんした領収書を作成・提出するなどして、管理組合の資金を着服していた。受託契約には記載されていない除草作業を業務として行い、清掃員に作業を指示。「1時間1,000円」と時間を決め、小口現金から勝手にカネを支払ったり、自ら作業を行った際は管理員自身がカネを受け取っていた事実も発覚した。
管理員の不正は、この管理員が勤務を始めた平成6年から行われており、13年にわたって不正が繰り返されてきたという。
不正による管理組合の被害は、確定分だけで約500万円。一括領収ほか清掃員に支払ったとされる作業代など確定不能分が約600万円あり、総額で約1,000万円に及ぶ。
管理会社側は、「過去の資料を基に不正額がいくらになるか、管理費や支払先に対して調査したが、古い資料が残っておらず全体を解明することはできなかった」と説明しているが、確定不能分はすべて「クロ」扱いにし、1月末までに約1,000万円を管理組合に支払った。迷惑料として、「お詫び金」も支払う考えだ。
管理員は不正発覚後、昨年12月末で懲戒解雇された。自身が所有する不動産を処分するなどして、着服分を弁済する意思を示している点を考慮し、会社側は、現時点での刑事告訴は考えていない。
長年にわたる管理員の不正は、管理会社役員の指摘で明らかになった。管理員は妻子と同居して勤務。住民の評判は「良い」とされる反面、一方では業務態様に不満を持つ住民も一定数に上っていた。
役員は、管理員に対し日常の勤務態度や物品購入などに疑問を持っていたといい、会社側が指摘を受けて調査した結果、不正がわかった。
不正発覚後、管理会社は理事会に事実を報告。組合員全員に書面を配布する一方、1月には説明会も開いている。
今後は社長以下関係者の処分を検討。不正を許した温床になった小口現金の支払い方法を改め、領収書についても、発行は新たに専用の組合印を作成し、チェック体制を整えるなど、すでに業務改善策を打ち出している。
〔(株)マンション管理新聞社発行 マンション管理新聞 第733号より抜粋〕
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