マンション管理ネット新聞
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トラブルの定番解決困難なペット問題
求められる住民のマナーと相互理解
 
 
国土交通省がおおむね五年に一度実施しているマンション総合調査(平成十一年度版)によると、管理組合が経験した主なトラブルについて「ペット問題」が、騒音問題に続き最も多いという結果が出ています。多くのマンションで問題になりながらも有効な解決策が見いだせず、泥沼化していく例もたくさんあるようです。動物愛護・管理規約・個人的感情等様々な問題を含むこの「ペット問題」。双方の十分な理解の上、明確なルール作りが必要不可欠です。

ペット問題で頭を悩ます管理組合
 大阪市築十七年九十戸のAマンションでは入居当初、管理規約にペットの飼育についての規定がはっきり明記されていなかったためペットを連れて入居してきた居住者がいました。数年前からペットの飼育に反対する居住者の声が強まり、「原則的にはペットの飼育を禁止」し「現在飼育している居住者はそのペット一代限りの飼育のみを許可」し「新たな入居者には飼育禁止」との内容を使用細則に加えたのです。しかし新たに入居してきた者の中には「今もマンション内でペットを飼っている人がいる」と主張し隠れて飼う人も出てきました。現在もなおこの問題に関して有効な解決策を見出せないまま理事会は頭を悩ませています。


管理規約によってペットの飼育を禁ずることは法的に有効
 そもそもペットの飼育禁止を定めた規約は有効なのかという問題ですが、これは現在では有効とする判例が定着しているようです。平成三年十二月十二日の横浜地裁の判決においてもペット飼育禁止の規約の有効性を示し、控訴された東京高裁においても、控訴が棄却され地裁の判決を支持しました。(※)よって個人的感情は別にして規約の中にこのようなペット飼育禁止項目があった場合は、住民はこれに従はなくてはならないということになります。当然違反する居住者には中止勧告、差止めに必要な措置等を取る事が可能になります。


ペット愛好家の立場も充分尊重する事も必要 〜ペット飼育用マンションも販売〜
 もちろんペットを愛好する居住者の権利も無視してはいけません。十分に意見交換を行った上で、飼育ルールを定め、責任の所在・取り方の方法を明らかにする等双方が歩み寄れる手段を見つける努力も必要不可欠です。最近ではこのような現状を踏まえペット用の設備に力を入れたペット飼育用マンションも増えてきました。


 規約を改正してペットの飼育が出来ない旨を定め、規約が改正される以前からペットを飼っていた者に対して ペットの飼育の禁止を求めた事例
 (東京高等裁判所 平成6年8月4日判決)
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〈日本経済新聞平成13年10月23日掲載〉
 被告は、区分所有法六条一項の「共同の利益に反する行為」とは、動物を飼育する行為を一律に含むものではなく、動物の飼育により他人に迷惑をかける行為で具体的な被害が発生する行為に限定され、本件マンションにおいて動物の飼育を一律に全面禁止する管理規約は無効であると主張する。
 しかし、区分所有法六条一項は、区分所有者が区分所有の性質上当然に受ける内在的義務を明確にした規定であり、その一棟の建物を良好な状態に維持するにつき区分所有者全員の有する共同の利益に反する行為、すなわち、建物の正常な管理や使用に障害となるような行為を禁止するものである。この共同の利益に反する行為の具体的内容、範囲については、区分所有法は明示しておらず、区分所有者は管理規約においてこれを定めることができる。
 そして、マンション内における動物の飼育は、一般に他の区分所有者に有形無形の影響を及ぼすおそれのある行為であり、これを一律に共同の利益に反する行為として管理規約で禁止することは区分所有法の許容するところであると解され、具体的な被害の発生する場合に限定しないで動物を飼育する行為を一律に禁止する管理規約が当然に無効だとはいえない。(以下省略)

 

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