経費削減の為に組合員で除草作業を行なった場合
管理組合が芝刈り費用を節約する為、前回まで業者に依頼していたものを組合員自らが作業を実施した場合。もしもその作業中に不慮の事故により組合員が負傷したら、はたして誰の責任になるのでしょうか。ここでは、実際にあった裁判例をもとに考えてみることにします。
動力芝刈り機の使用による負傷
除草作業は理事会により決定し、組合員全員に実施の案内をした上で実施しました。芝刈り作業には扱いの難しい動力芝刈り機を使用し、一人の組合員が作業中あやまって小石を跳ね飛ばしてしまい、右手に負傷を負ってしまいました。その組合員より管理組合に対し損害賠償がなされたものとします。
損害賠償義務を認める判決
管理組合の指示や区分所有者の総会の定めによって区分所有者に除草を義務付けたということになると、管理組合には除草作業を行なう区分所有者の安全をはからわなければならない信義則上の義務が生ずると考えることが出来ます。除草機はそう安全な機械ではない場合が往々にしてあり、知識の無い区分所有者に使わせるには、使わせる側がそれ相応の注意をはらわなくてはならないからです。
実際の裁判例でも、管理組合と被害者(負傷した組合員)間には組合費の徴収に代えて労務の提供を求めると言う関係があり、組合理事会の芝刈りを組合員に行なわせる旨の決定は、組合員に対し事実上の拘束力があると認定。管理組合には安全配慮義務の不履行があったとして損害賠償義務を認めました。(ただし75%の過失相殺あり。)
経費削減のためとはいえ、うかつに危険な作業につかせて労務提供を求めてはいけないという事例の一つであるといえるでしょう。
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